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-休日艦長航海記
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すいません、仕事が忙しくてIN時間が減っております


ハイスの、わーわー度
←ひま~      わ~わ~→
■■■■■■■■■□□□□

しかも入っても造船をしとるので、目新しい記事がなかなか書けません。・゚・(ノ∀`)・゚・。


ということで、帆船繋がりの本紹介~!

トマス・キッド

海の覇者トマス・キッド シリーズ

簡単なあらましをご紹介すると・・・
ナポレオン戦争時代の帆船を舞台にした海洋冒険小説です。大航海時代より少しあとの世界となります。

今まで、海洋冒険小説の主人公と言えば艦長などの士官が定番でした。もちろん軍人として専門訓練を受けたプロフェッショナルの物語も面白いのですが、この”トマス・キッド”シリーズの主人公は軍人ではなくカツラ職人なのです。

なんでカツラ職人が軍艦乗りになるかというと、いつもの日々を過ごしている主人公が突然、海軍強制徴募隊に捕まってしまうのです。

強制徴募隊(プレス・ギャング)とは?
英国は戦争に疲弊し、海軍人員が不足していた。そこで商船など民間で働く船員を海軍が誘拐して軍艦で働かせる事にした。 表向きは航海経験のある船員が対象だったが、実際には乗船経験のない者も乗せられた。
例え家族が待っていようと、脱走以外に徴募を逃れる事はできない。


こうして上流階級のお客を相手にする、教養もある主人公は軍艦で最も惨めな”陸者”として働く事になるのです。 陸者とは読んで字のごとく、船の上では役に立たない底辺労働者です。ポンプこぎまくったり、ロープを巻きつけたり、奴隷並の労働をさせられます。名倉の雑用係といえばわかりやすいかな。

悲観に暮れる主人公キッドだが、老練水夫ジョー・ボウヤーに見込まれ、陸者のままではなく水兵になるんだと励まされる。そしてその一歩は聳え立つマストに登る事…

現代人でも怖い高さになるマストに当時の陸の上しか知らないキッドは足がすくむ。だがここでもジョー・ボウヤーは語る、

「こうするんだ。明日の午前中、作業配置がかかったとき、おれたちはいっしょにメイン・マストのトップ台に行く-のぼるんだ、あそこまで、トム!第一歩は陸者の甲板を離れること。そして、船乗りの行くとこりへ行くんだ-マストの上へ!

この一言に読んでいる私も感動してしまいました。帆船のマストに登ったことのある人には、この恐怖と冒険の勇気がよくわかると思います。意を決し、キッドはマストに登り水兵の仕事を覚えていく。

そして水兵見習い中、キッドの船は敵地フランスに上陸し、王党派軍(フランスは共和派が革命で政権を取り、王貴族側と内戦していた)を支援する作戦に参加する事になる。 しかし革命共和軍の騎兵隊に追われ、凄惨な撤退戦となる。キッドは本隊から落伍するが、仲間の手助けを得てなんとか元の船に戻ることに成功した。

艦長はキッドの体験した冒険談に感動し、何をして欲しいか尋ねた。

-俺を水兵にして下さい!


この1巻は大体こんな流れです。このトマス・キッドは著者が「強制徴募の陸者から水兵になり、提督まで上り詰める構成を描く」と言っています。一見夢物語のようですが、ネルソン時代に

水兵から士官に上がった者 120人
そこから艦長になった者 32人
そこから提督になった者 3人

というデータがあるのです、著者は海軍出身ですからこれを見て「これはすごい苦労の物語が詰まっていることだろう」と感じ、本作のインスピレーションにしたのです。

大変面白い作品です、若干文字のクセは目立ちますがそれでも他の英国小説に比べると大変読みやすいな~と思います。是非、機会があったらご一読下さい。
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